布良星(めらぼし:カノープス)観測会紀行 

首藤謙一、浦辺守、石井崇裕
 
私たちは鴨川、佐倉を拠点に星見活動を続けているアマチュア
天文家ですが、昨年仲間と共にちばサイに入会させて頂いたの
をきっかけに、冬の一時期しかも限られた地域でしか見る事が
できない布良星/カノープスの観望会を企画、実施しましたので
報告致します。

この星は、大犬座シリウスが南中するころ、その南の水平線/
地平線スレスレのところにある少し赤みがかった星です。
中国では地平スレスレに現れる事より「南極老人星」「寿老人星」
と呼び、七福神の寿老人を想像しこの星を見たものは長生きを
するという言い伝えがあります。
また日本では地方毎にいろいろな名前があり、南房総では
布良(めら)の地名に由来した布良星が有名です。
今回の企画は、我々が各地の仲間と共に案内人となり、ちばサイ
の皆さんにこの星を見てもらい長生きをして頂こうという企画です。

・参加者:15名(地元、佐倉の応援者含む)
・日時:1月31日(土)?2月1日(日)
・場所:鴨川市魚見塚、鴨川天体観測所、外房布良地域、館山

【布良星観察、鴨川天体観測所での星見会:於鴨川】

31日夕方、鴨川のイタリアンレストラン「KIDS:キッズ」
(オーナーはちばサイ会員)に集結し、ちばサイ、鴨川、佐倉の
メンバーにて星見隊が結成されました。
当日は皆さんの行いが良く快晴の星見日和でした。オーナーの
はからいの特別室で楽しい夕食顔合わせの後、場所を鴨川一
戦場公園の高台(魚見塚)に移し布良星観察となりました。
晴れ男、晴れ女の集いで満天星空になってはいたのですが、
ここがなかなかお目にかかれないこの星の所以、水平線際の
透明度が悪く布良星は・・・なんとか肉眼でかすかに(心で?)
見る事が出来ました。
また双眼鏡ではハッキリ見ることができました。
初挑戦の方々には我々もホッと一息!でした。「百単位の年数を
指折り数え、長生きできる・・・」と皆つぶやきながら次は海から山へ、
我々の鴨川天体観測所へ移動しました。ここはハレー彗星時代
からの約20年間、星見はもちろん、ウッドデッキからの野鳥観察、
BBQエリアでの語らい、宿泊棟での講習会?等アウトドアイベント
も楽しんでいる我々の活動拠点です。
月、土星、木星、散開星団等望遠鏡観望会の後、おでん鍋を囲み
ミーティング、水平線近くゆらゆら揺れるいくつかの赤い星は、
酔っぱらいの神様(七福神の寿老人)。
いつの間にかその化身となって、夜も朝へと更けていきました。


【南房総星の旅とビーチコーミング:於布良、館山海岸】
2月1日、鴨川から海沿いに南へ車を走らせ、この日の案内役
安藤智氏(館山天文クラブ会長)の待つ白浜町横渚(よこすか)へ
到着、そこで入定塚を見学しました。この塚は、布良星が海で
死んだ漁師たちの魂であると恐れられていたその昔、その魂を
鎮めるために西春法師が入定(即身成仏)した塚だそうです。
この地域では布良星を入定星、西春星とも呼ぶそうです。
その後JRバス停の待合室カノープスの見学、物産館めら星で
休憩、そして館山市内の海岸でビーチコーミングの初体験でした。
白い砂浜を潮風に吹かれながらコーム(櫛)ですく様に目を皿に
して歩いて、珍しい貝、化石、縄文土器、イルカの耳胞骨など
探しました。見つけたものは自然体験ガイドの安藤さんに鑑定
してもらうという趣向で、帰りは皆ポケットの中が一杯でした。
楽しいひとときの2日間で、皆さん思い出を載せてお帰り頂いた
と思います。夜は星、昼間は数々の自然の楽しみができる南房総
へ、皆さんお出かけ下さい。

観測会に参加した人の声・・・
「カノープス初観測やいろんな人達との出会いがあり最高でした!
お世話になった方々ありがとうございました。 (増田芳弘)」
「月の光で浮かび上がる水平線。その少し上に見えるカノープスは、
とても幻想的で感動しました。長生きします!(酒井朋美)」


今回のイベント支援:「鴨川市に天文台をつくろう会」
「鴨川天体観測所」「安藤智氏:館山天文クラブ・たてやま海辺の鑑定団」
関連のHPを参照下さい。
カノ見会スナップ:www.geocities.jp/mu_urabe/20040131_index
布良星詳細(今回の案内人浦辺氏HP):http://homepage1.nifty.com/m_urabe/canopus.htm


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