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ちばサイくん > メールマガジン「ちばサイくん」第16号/2002年1月14日 |
ちばサイエンスの会 |
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■2【サイの目】/自由投稿
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2●サイの目● 会員による自由投稿のコーナー |
■ 「ハシモトのインチキ科学コーナー その10」 |
(文責・橋本悦夫/船橋市総合教育センタープラネタリウム館)
新年も半月も経つと「あめでとう、おめでとう」といっていたのが一体何だったんだろう、と思っちゃいます。
今年の正月は何処へも出かけず、寝正月でもなく、飲み正月でもなく、何やら無機質な三が日を過ごしました。
でもただひとつ、いいことがありました。見ちゃったんです。UFO。2日だったか3日だったか、夜11時過ぎ、南西の空、視直径は満月の半分ぐらいの明るい光。
くっきりとした輪郭になったかと思うと、少しボケて二重に見えたりしているのです。
「それッ双眼鏡だ」と持ち出すと、「れれれ、何も見えない」。で肉眼に戻ると、また見える。位置は変わっていないようだ。
UFOに違いない。記録だ、き・ろ・く。こいうときのために、と準備しておいた常時フィルム装填状態のカメラがここで役に立つとは思っていなかった。
ファインダーを覗くと「れれれ、見えない」。肉眼に戻ると・・・・消えている。まさしくUFOだ。
数分後、正体が判明しました。外の街灯の灯りが我が家の窓ガラスに当たり、反射した光が私のメガネに当たって、見えていたのです。
翌日もその事態が再現できました。しかし、立つ位置を肩幅1つ分変えると再現できませんので、何十分の一の確率でUFO騒ぎとなったのです。
今度、プラネタリウム館にUFO騒ぎが舞い込んだら、これを答えることにしましょう。(メガネをかけていなかったらどうしよう・・・やっぱりほめ殺しかな。あなたはいいものを見ましたね、って・・・・)☆
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ここは「ちばサイ」向きと思われるサイエンスっぽいネタを、会員が問題提起エッセイとして自由投稿するコーナーです。「今日はこんな発見をした」「こんな工夫をした」「こんな本を読んだ」「こんな人にあった」などなど。自己体験と、そこから生じたふとした問題意識をベースに、投稿者の目線で語っていただくものです。「サイ新ニュース」より、間口が広いので、気楽にどしどしご投稿ください。
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5●トリケラトプス● 特集記事のコーナー |
■ NHK気象通報の地点変更と現在における意義 (その2) |
(文責・田中博春/「ちばサイ」編集担当)
前回(ちばサイくん12号「サイ新ニュース」)は、NHKラジオ第2放送で放送されている「気象通報」の観測地点や地点名称の変更があったことをお伝えしました。その後、この気象通報について簡単にまとめたページが見つかりましたので、ご紹介します。
・お天気博士の扉
http://members.jcom.home.ne.jp/yasu.k/
> 気象通報の扉
http://members.jcom.home.ne.jp/yasu.k/tenki2.htm
このように、「気象通報」には熱心なファンの方がいらっしゃる一方で、ラジオの音声を聞いて天気図用紙に気圧を書き込み等圧線を引くという、昔ながらのこの天気図作成法の実用的な意味は、いまやどんどん薄れてきているのも事実です。
私たちが普段気象情報を得る手段は、テレビの天気予報がメインでしょう。しかし15年前ほど前までは、テレビは屋内で見るものであり、屋外でテレビを見ることはほとんどありませんでした。外出中に天気予報をどうしても見たい場合は、電気屋さんの店先のテレビを探したり、わざと食堂に入ったりしたものです。
しかし、10年程前に小型の液晶テレビが販売されるようになり状況が変わってきました。1万円少々で買えるわずか数100g程のポケットテレビがあれば、テレビの電波さえ届くところならばどこでもテレビを見ることができるようなりました。とくに山では、尾根線上に出さえすれば、かなり高い山でも多くの地域でテレビ電波が受信可能なことから、山での気象情報の入手手段としてポケットテレビは一気に広まりました。
また近年では、携帯電話の普及によりいつでも屋外で気象情報にアクセスするできるようになりました。これはテレビの電波よりは到達範囲が小さくなりますが、尾根線上なら通話可能なところが多いです。
これら小型・軽量化した通信手段により、多彩な気象情報が図として入手できる今、気象通報を20分間聞きながら、手書きで天気図を書く実用性はもはや薄くなっている言わざるを得ないでしょう。
それでは、気象通報本来の目的である海難事故防止の意味ではどうでしょうか? 一昨年(2000年)4月から放送されたNHK朝の連続テレビ小説「私の青空」では、漁船の中で気象通報を聞きながら女優の加賀真理子さんが天気図を書いているシーンが放送されたとのことです。しかし、漁船用には戦前から、短波帯で放送されている気象短波FAX放送があります。
・第1気象無線模写通報(JMH)
http://www.kishou.go.jp/info/public/
これを受信する専用の受信機は漁船用に多く出回っており、漁船ではこの放送により気象情報を得ることが多いようです。私のいた大学でも、かつてこの受信機があり、天気図以外に雲画像や台風情報なども流れるこの放送のプリントアウトがよく壁に張られたりしていました。
この内容は、現在ではインターネット上にも公開されていて、しし座流星群気象特集の際にもお世話になった国土環境の会員ページや北海道放送のサイトにて見ることができます。
・国土環境株式会社 > お天気会員のページ > 気象庁天気図 (無料の会員登録が必要)
http://www.metocean.co.jp/weather/members/index.htm
・北海道放送 > 専門天気図〜プロ仕様の天気図 (Adobe Acrobat Reader が必要)
http://www.hbc.co.jp/tv/teleport2000/pro-weather/index.html
余談になりますが、この第1気象無線模写通報(JMH)は、流星観測や掩蔽観測の際に正確に時刻を測定する際に利用されてきた短波帯標準電波(短波JJY:昨年(2001年)3月31日に廃止)と同じNTT名崎送信所から送出されています。また、このJMHと同種の短波帯を利用した気象通報は、国際気象無線通報(JMG)、船舶無線気象通報(JMC)、第2気象無線模写通報(JMJ)と各種存在しましたが、近年縮小の一途をたどっていて、JMGは1994年10月1日、JMCは1999年2月1日、JMJは2001年3月1日に廃止となってしましました。
・名崎無線送信所研究サイト
http://homepage2.nifty.com/nazaki-tx1/WEB/INDEX1.htm
> 気象無線放送の歴史
http://homepage2.nifty.com/nazaki-tx1/WEB/HISTRY/METEORADIOHSTRY.htm
・アストロアーツ
http://www.astroarts.co.jp/
> 記念日に考える > 短波JJY終了後の時刻取得
http://www.astroarts.co.jp/news/2001/06/09jjy/index-j.shtml
となると、現在における気象通報の存在意義はどこにあるのでしょうか? まずは、テレビも携帯電話の電波も届かない山の深くや災害時での利用が考えられますが、やはり現在のもっとも大きな存在意義は教育な意義でしょう。
私も、科学的かつ実用的なデータに触れることのできた第一歩は、この気象通報によるところが大きかったと思います。刻々と観測される第一線のデータを自分の手で処理する醍醐味は、この気象通報の天気図を書くことにより教えられた気がします。また、等値線の引き方もこれでずいぶんと鍛えられました。
天気図は、傍目から見れば無味乾燥なただの等値線図に見えるかもしれません。しかし、何年も書きつづけていると、その中に季節の表情のようなものが見えてきます。冬のシベリアの高気圧とアリューシャンの低気圧の間に引く何本もの等圧線、春の低気圧と移動性高気圧の周期変化。梅雨どきの長い長い停滞前線。夏の小笠原高気圧。秋の台風などなど。
漫然と見ていると見過ごしてしまう風景も、スケッチをすると細かい表情が見えてくるものがあるときがあります。気象通報を聞きながら天気図を自分の手で書くことは、これと同じような気がします。☆
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特集的な位置付けのコーナーです。読みきりの本格的ウンチク系の記事のほかに、何か科学的に大きな現象の観測・観望情報とか、あるいは会の行事の報告とか、比較的ボリュームのある内容の記事を載せていこうと思います。
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